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黑潮でつながる隣ジマ

昨日は沖縄県立博物館・美術館
に行ってきました。
よく行く所の一つで、
今の博物館企画展示は台湾と沖縄の
行き交いの歴史と
沖縄のハジチ、台湾原住民族のタトゥー
歴史と今です。
博物館や美術館は大好きなので
近くを通れば、つい寄ります。
台湾は1895年〜1945年までの50年間
日本の植民地でした。
多くの日本人が仕事を求め台湾に
渡りました。
実際台湾で生まれ、沖縄に帰って来た
人達のインタビューを流していて
興味深い内容でした。
戦時中、台湾で過ごした人達は
言葉が標準語できれいなアクセント
でした。
ご本人達も台湾に居たことによって
美しい日本語が身についたと
話しておられました。

 

日本が ずっと行ってきた
「方言狩り」に関しては、
沖縄に来て、その極端さを
聞いていましたが
方言の何処が悪いのかと
思います。
「バカにされる、下に見られる」
という理由で、その処罰や
嫌な思いをすると知って
私はビックリしました。
そこまで極端に酷いことが
成されていたとは…
本土と島々との関係は
自分が観光客でなく住んで
感じるものがあります。
あのまま生まれ育った東京に居たら
きっと知り得なかったことが
たくさんあります。

 

沖縄の「うちなーぐち」は
難しくてわかりませんが
一般的には柔らかくて
丸い感じを受けます。
それが今の訛りだとすれば
東京弁の語気の特徴は
賛否両論になるかと思います。
台湾と沖縄は、台湾内外から
民主化運動が興ったのを背景に
自治体交流が盛んになります。
沖縄の高校生の間では
台湾の大学進学が、ちょっとした
ブームになっています。
今回の展示品で気になったのは
タイトルにもある「沖縄のハジチ、
台湾原住民のタトゥーの歴史と今」
というものでした。
沖縄と台湾に共通する文化のひとつ
はイレズミです。
そして「ハジチ」とは沖縄で
女性の手に様々な模様を彫った
もので、入れ墨のことです。
明治政府によって禁止され、
「憧れ」だった風習が、突然
「野蛮」と位置付けられ多くの
逮捕者が出ました。

 

この「ハジチ」は「針突」と書き、
成人や結婚の証、厄除けなどの意味
がありました。
「針突師(ハジチャー)」と呼ばれる
彫り師が、深青色の墨で丸や三角など
を組み合わせた模様を手の甲や腕に
彫りました。
琉球王国時代の1500年代から行われて
きた記録があります。
界各国の文化に見られるように、
古来、刺青には子孫繁栄、魔除けなど
シャーマニズム的な意味合いがあります。
「ハジチ」も同様で、「ハジチ」を
していないと あの世で浮かばれないと
歌った琉歌もあります。
沖縄に住んで何となく気になっていた
タトゥーを入れている女性の多さに、
こんな歴史があったのか…と思いました。
それまでは基地が多いので米兵さん達の
影響で、タトゥースタジオが目に
ついたり、タトゥーを入れている人達
が多いのかと思っていました。
あるタトゥースタジオでは、手首より
先は法律違反だと彫り師さんが
話していました。
しかし、女性で手の平、甲、指に
ポイントで彫ってある人達を
見かけます。
調べると、自分の祖母がハジチを
施している手をさすりながら
悲しそうに、手を隠すように
したという記事もあります。
タトゥーは海外でも民族や習慣、
興味など 人間とは深い関係が
あります。
これはタトゥーに関してですが、
私は「正義」「価値観」というものが
時代と戦争によって逆転することが
頭を過ります。
日本の場合、任侠映画などの影響も
あり、タトゥーに関しては
以前の職業の「彫り物」という
鳶職など職人さん、
江戸時代の罪人の印など
イメージがゴッチャになっています。
日本の温泉、プールで入室お断りに
なっている所が、ほとんどなので
来年の東京オリンピックに向けて
外国人向けに対応がされて
いくかと思います。
お互いが配慮し合うという思考、
バサっと禁止せず、入れる方法
の提示など必要です。
「正義」「変わらぬ価値観」
の定義が逆転する時代に
なっても、タトゥーは見えるもの
ですが、心に彫った「正義」を
漂白せず持ち続けたいです。
言語統制、個人情報保護法が
悪い方向に使われている現在
「緊急事態条項」の危険性を
各自が強く感じていかなければ
なりません。