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どこに向かう?日本

台風19号による豪雨で甚大な被害が
出ています。
今回の災害で亡くなった人は74人と
なり、堤防の決壊は55河川の79箇所
にのぼっているとNHKで
10月16日11時43分現在伝えています。
しかし被害の全貌は まだ分かって
いませんとあります。

堤防決壊55河川79箇所の地図です。

今回の台風で色々な課題が浮き彫りに
なりましたね。
台風15号の時、外から「助けて!」
と叫んでいても中に入れなかった
台東区での路上生活者拒否も、
19号の路上生活者受け入れ拒否で、
非難に屈してか、区長が謝罪しています。
港区が取り上げられないのが不思議です。

 

多摩川の景観にこだわって
堤防作りに反対した話も出ていますし、
被害の全貌を まだまだ把握できない
現実もあります。

 

避難していて留守にしていたお宅に、
浸水しているにも関わらず空き巣被害
が続出しているニュースも目につきます。

 

今回の台風の報道で気になったのは
「詳しくはホームページやTwitterを
ご覧下さい」と盛んにアナウンサー
が言っていたことです。
NHKのオンエア画面にQRコードが
出ていたのには、ため息が出ました。
インターネットのない高齢者には
事前に役所が避難所などのチラシを
配ったと言っていました。
お気づきの人も多いと思いますが
今は以前より地方局の元気がありません。
報道が偏っているというか、
限られた所のことしか
入ってこない不自然さを感じます。
情報の中央集権化です。

 

民放はスポンサーで成り立っています。
聞くところによると、
年々予算も厳しくなり取材に出す
クルーの人数も減ったそうです。

 

その点 圧倒的な予算のNHKは
12日9時台から特番体勢をとり
視聴率も圧倒的でした。
民放が特番を組んでも各局、長くて
4時間くらいでした。
天変地異・大事件が起こると報道体制が
整って分厚いNHKは強いです。
本来なら、その地方のローカル局が
細やかな被害状況を出せたら理想的
ですが、テレビの難しさ、特性を
考えさせられます。
とても危険な地域に取材が入れるか…
たいした事もないものに取材が集中し
「マスゴミ」とか言われているのに
肝心な時 「どうしちゃたの?」
というほど、我関せずみたく
特番のバラエティ番組をやっていたり。

 

それも民意やニーズより
大切なスポンサーさんありきの
仕方ない部分も垣間見れます。

 

国営放送と名打っているのだから
無理矢理視聴料をテレビのない家
からも徴収せず、用途も不明な
増税分から当てればいいとか
思ってしまいます。
これだけ大きな災害ですと
ボランティアの人達の不足が
出てきます。
ボランティアの人が現地に行って
その被害の実情を知り広める
というケースもあります。
取材の入らない場所の大変な
様子を知らせてくれます。
日本においてボランティアに対する
意識って どんな感じなのでしょう?

 

たとえば大学進学の選択が海外にまで
広がっている今、海外の有名大学を
目指す時、学力だけではなく
ボランティア活動が大きく響きます。

 

「社会に貢献する人」を重要視します。
ボランティアによって身につけたもの
が評価につながります。
アメリカでは大学入学審査の際に
ボランティア経験などの課外活動
について優秀な学力以外に問われます。
そのため、アメリカの高校生は
ボランティアなどの社会活動に多くの
時間を費やします。

 

海外の社会活動とかいうと刑罰減刑の
一つにもあるので、誤解されがちかも
しれません。
しかし、日本でも2020年度に行われる
大学入試改革では、学力のみならず
ボランティア活動、留学、海外経験
取得した資格、表彰など個人の
要素が加味されることになります。

 

勉強以外で、今後ますます
ボランティア活動などの社会貢献は
重要視されていきます。
そんな日本として その方向に
向かって欲しいのですが、
3年前 大阪高裁は保釈中の
大麻取締法違反の被告が東日本
大震災のボラティアをしていたことを
理由に、1年6ヶ月の実刑判決を棄却し
懲役2年執行猶予5年の執行猶予判決を
下しましたが、その判決に対して

 

「裁判官の判断に問題ある」

 

「法律に携わる者として法律を
尊んでいない」

 

「そもそもボランティアは無償の奉仕
活動なのだから、これを理由に
減刑するのは本末転倒である」

 

などという意見があり、
ボランティアに見返りがあると
解釈されている風潮もあります。
ボランティアという行為そのもの
から得る、その他のものは
一切見ないということでしょうか。
日本でも平成22年法務委員会調査室
の「刑の一部執行猶予制度・社会貢献
活動の導入に向けて」という
報告書を読むと海外のように
老人の介護、手助け、海岸や地域の
路上清掃など多彩なプログラムが用意
されています。
若者にはボランティアを通して
身につけたスキル、社会性
規律、リーダーシップなど
幅広い能力がつき、示すことが
評価になります。

 

あと50年後、日本人の人口は半分
になると言われています。
4人に1人は60代という現在を
考えると、支え合う姿勢は必須と
なっていきます。
教育勅語を覚えさせる世の中でなく
手を差し伸ばせ合えるような
教育、風潮が大切です。
明日は我が身かもしれないと、
いつも心に刻んでおきたいです。

 

改めて大きな災害遭遇と共に
心が繋がること すみやかな復興
をお祈りします。