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直視できないけど、ダメだよね

台風18号が来るかと思っていたら
本島は免れたみたいで
今日も良い天気で暑いです。
離島では被害が出ており、
台風シーズンとはいえ心から
お見舞い申し上げます。

 

自然の驚異に、その過酷さと
残酷さを体感する機会を持って
「夕焼けが綺麗」なんて
言っている場合ではないと感じています。

 

この豪雨や照りつける厳しい暑さの
中、遺棄された犬猫達がいます。
殺処分ゼロを目指すも
犬猫に怪我させても「器物破損」です。
厳密には、それなりに軽い罰則は
あるものの犬猫の命は軽く
扱われているのは事実です。
環境省の「平成30年度動物虐待等
調査報告書」の判例等によれば
動物虐待は年々増加傾向にあり、
犯人が見つからないことが多く
逮捕数は氷山の一角に過ぎないと
いう現実があります。
ここで真剣に考えて欲しいのは
「連続殺人犯が事件前に動物を
虐待していた」
「動物虐待は凶悪な犯罪の予兆」
ということが欧米における
研究では、「動物虐待と
対人暴力の連鎖性」が
指摘されていることです。
実際 日本でもその連鎖性が
見られる事件が起きています。
1997年の神戸連続児童殺害では
加害者少年は事件前に猫を
残酷に殺害、2014年の長崎県
佐世保の事件でも加害者は
「猫を解剖したりしているうち、
人間で試したいと思うようになった」
と供述しています。

 

欧米では顕著なのに、日本では
動物虐待犯の研究は ほとんど
行われていません。

 

ヒューメイン・ソサイエティに
よると、家庭内暴力と
動物を虐待する人間とには
相関がみられるといいます。
ある調査では、家庭内暴力の
被害者の71%が、飼育していた
ペットも虐待のターゲットに
されていたと回答しています。

 

動物保護といえばドイツの
「動物保護法」が動物保護先進国
とされています。
1933年に体系的な動物保護法を
制定し、何度か改定され、
現在に至っています。
2002年には、憲法に「動物保護」
が導入され、さらに法令や州の
法律で、より詳細なことが
定められています。
国立図書館で諸外国の状況と
いうのを調べると、
ドイツで犬を飼うとなると
日本とは かってが大きく違います。
各地の動物愛護協会(民間団体)
が運営する全国500カ所以上の
動物保護施設「ティアハイム」が
飼い主斡旋を行い、施設の犬猫を
引き取って飼い主になるには
飼育環境の審査があり、安易な
譲渡を防いでいるとあります。

 

ドイツの場合、いい話だけでも
なく原則殺処分ゼロではあっても
「狩猟法」というのがあり、
狩猟が出来る地域においては
犬や猫が駆除されるという
事実もあります。
ここで、私が訴えたいのは
来年日本でオリンピックが開催
されることで、かつての
ギリシャのような動きが出て
欲しいということです。
ギリシャといえば、
「動物保護法先進国」ドイツの
ように、動物保護法や活動の
歴史が長いわけではありません。
2004年のアテネオリンピックを
機に、急速に動物保護制度を
変革してきました。
国際的スポーツの祭典の前の年に
動物を排除し殺処分することは
健全でない、正しいことではない
という意見が多く、
保護を前提として議論が進められ
法案が提出されました。
ギリシャ議会で審議、可決され
ました。

 

上で保護された犬はシェルターへ。
約2週間で予防接種や不妊・去勢手術
マイクロチップなどの装着。

 

怪我や病気があれば治療し、攻撃的な
犬は問題行動解消のための訓練を
受け、譲渡会やサイトでの里親募集、
地域の戻された犬は動物愛護団体、
近隣の住民が世話する地域犬
となりました。

 

TNR(Trap捕獲/Neuter不妊・去勢手術
/Return元の場所に戻す)は
日本でも地域活動で行われていますが
犬では珍しいことです。
最初は反対派の人々のために
治療、訓練を行い戻ってきた犬達に
問題行動がなかったため
オリンピック開始までに
この試みが機能したそうです。

 

その後、ギリシャ政府は全国の
自治体にアテネ市と同様の
プログラムを2年以内に導入する
ように指示したものの
財政危機の影響もあり
機能していない地域も多いという
残念な話もあります。
日本でも2020年のオリンピック
に向けて小池知事は2017年に
「2019年までにペット殺処分ゼロ」
を実現する考えを示しました。
これは選挙の公約にもあったのですが
知事就任以後、殺処分ゼロ達成と
記者会見したものの
ゼロではありませんでした。
アテネオリンピックの時みたく、
しっかり対策を出して実行して
各自治体の良い例として
見せてくれたらと思います。
児童虐待、家庭内暴力のニュース
が連日流れる中で、
動物虐待が人間に向くことを
国は、もっと理解して
しっかりと取り締まるなり、
厳罰に処するなりして
命の尊さを法的に示していく
必要があります。
たとえばアメリカの 地域によっては
では動物虐待は程度によって
殺人などと同じ「重罪」
刑務所に収監されることもあります。
釈放されたあと何十年も
「動物を飼う権利剥奪」となる
こともあります。
動物を飼うことに身分証明書が
必要でないので、動物虐待の
前科がある人は「虐待者としての
登録」というペナルティがあります。

 

本名、住所、生年月日、動物に対する
どんな罪で捕まったのか、犯罪を
犯した日時、顔写真まで
全てのデータを地域が管理する
データバンクに登録することが
義務付けられることになりました。
このデータは全てインターネット
で公開され、私達一般市民も見る
ことができます。

 

これは日本だと引き取りに来た人が
虐待目的で来る悲劇を防げます。
虐待目的のため引き取りに来る人達
を日本では、どのように防止
できるのでしょう。
警察も動物虐待前科者を
把握でき、新たな犯行を生まない
ように監視できます。

 

しかしガッカリする話として
2014年1月6日、兵庫県警は
担当職員3名で動物虐待に関する
「アニマルポリス・ホットライン」
を開設しました。

 

通報を受けた場合は関係する書に
対応を指示し、動物愛護センター
などにも通報し、虐待などの疑い
がある動物の状態把握、虐待の
レベルを判断するなど情報を
共有する体制をスタートしました。

 

しかし開設から5年経った今も
兵庫県以外の46都道府県の警察
のホームページを見ても
動物虐待に関する相談、通報
を受け付ける専用電話や案内は
載っていません。
そんなわけで、動物虐待を通報
しても、そんなに親身に
取り合ってもらえない状況も
あり、その記事を読むと
情けなくなります。

 

ただ、これはアメリカの地域限定
の法律であるがゆえに、今後の
展開を期待します。
2016年1月にテネシー州が州として
初めて虐待者リストを作成し
市民への公開を始めました。
ニューヨークやフロリダ州の一部
イリノイ州クック郡でも同様の
法律が可決されています。
アメリカ全体で、この法律が
適用される日も そう遠くない
と思います。

 

動物愛護というと、何か偽善的で
嘘っぽい雰囲気も漂う面があります。
本当の意味で、動物愛護を認識する
必要性は、動物虐待が「人間に向く」
という危険性を理解することに
繋がります。
そして私は、「動物虐待愛好家」
なるものが存在し、
『生き物苦手版』という
動物虐待を趣味とする人達が集まる
サイトがあることを危惧します。
春になると仔猫の出産が増え、
猫に対する おぞましい虐待動画
がアップされ、「芸術」だとさえ
悦にいる人達がいる異常さに
愕然とします。

 

痛みを感じ取れない人達を
本来なら治療するか、
不安・危険患者として
動物虐待の要因などに
踏み込む必要があります。

 

壮絶で凄惨な動物虐待の判決が
懲役1年10ヶ月執行猶予4年。
どんなに残酷で どんなに沢山
虐待死させても日本では
「最高2年以下の懲役または
200万以下の罰金」でした。

 

実際は執行猶予が付き
刑務所に入ることもなく済みます。

 

厳罰化の声で「5年以下の
懲役または500万以下の罰金」
へと3年以内に施行されると
ありますが、改正動物愛護法
の威力は、その犯人の
真の怖さが、至る所に向く
ことへの防止でなければ意味
がないのではないでしょうか?

 

盲導犬も器物。
尻尾を踏まれてもタバコの火を
押し付けられても刺されても
器物破損。
少しでも犬が反撃したら処分。

 

生まれたばかりの仔猫達に
どんな残酷なことをしても
おとがめなし。
私の住む地域でも
TNRの活動を熱心にしている人達
がいます。
気の長くなる行為にみえるかも
しれませんが、殺処分より
確実にかわいそうな野良猫を
減らす方法です。
地域猫として、住民が
世話をすることは悪いこと
でしょうか。
つい最近、野良猫を保護したら
毒を食べさせられていて吐血して
即死した報告を見ました。
動物虐待も写真を直視できない
内容が増えています。

 

東京オリンピックが開かれる
ことが避けれないなら
せめて、そこに付随する良い
動きが欲しいと願ってしまいます。
優雅に日向ぼっこをしている
野良猫のお腹に仔猫がいる姿
を見て、胸が詰まります。
そして私は「ペット」と「家畜」
の曖昧な境目に心が痛みます。
子ども達に、どのように動物への
愛情を教えたらいいものかと…
それは個々に感じるものなのかと
思う時もあり複雑で重苦しい
気分になるのです。