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オリンピックと健康

五輪マラソンと競歩を
札幌開催にIOC理事会と
大会組織委員会は合意したと
今年の10月17日に報じられました。
IOC会長のバッハ氏は各オリンピック
委員会連合で
「(札幌開催は)より涼しく選手の
健康を守れる。
これは大きな、そして重要な一歩だ。」
と発言しています。

 

ここで すぐ思うのはトライアスロン
のことです。
今年8月のパラトライアスロンは
スイム中止になりました。
17日に行われるのに選手に伝え
られたのは同日午前3時37分。
前日16日午後1時に採取された
サンプルから、ITCが定める上限の
2倍超の大腸菌が検出されたからです。
ルールに従ってスイムを中止。

 

原因は台風10号による豪雨で
合流下水道に処理しきれない
生活排水が混入し、東京湾に
流れ込んだためとあります。
テストイベント初日の15日は
猛暑でランが半分の距離に
なりました。
ラン、バイクによるデュアスロン
大会を実施しました。
これだけ読むと、さも台風のせいで
水質が悪くなったようにみえます。
しかし ここは泳いだり、浅瀬を
歩くことさえ避けるよう
強調されている場所です。
L.A.Timesによれば、下水処理場
へ流れ込む下水から大量の
糞便物質が海水に流れ込んでいる
と書いてあります。
(ここで日本のメディアを信じれない
悲しさを感じます)
実際 行ってみれば わかりますが
まるでドブ…海の色?黒っぽい…
臭い…
ここに こんな風に飛び込めって
ちょっと凄過ぎる…

 

港区はトライアスロン会場となる
お台場海浜公園を「泳げる海」と
アピールするため、2日間限定で
特別解禁しましたが、
「顔をつけて泳ぐな」という条件での
解禁でした。
このニュースは記憶に新しいと思います。

 

猛暑の時期に こんな不衛生な場所で
競技を行うなんて「健康」への配慮は
どうなっているのでしょう?
そもそもIOCはオリンピック立候都市
は夏期五輪開催日を7月15日〜
8月31日に設定することを大前提と
しています。
理由は欧米のテレビで五輪競技の
放送時間を多く確保するためです。
IOCは欧米のテレビ局から支払われる
巨額の放送権を収入の柱として
います。
そのため欧米で人気プロスポーツが
開催されていない、テレビ番組の
編成に余裕のある7〜8月に五輪の
日程を組み込むことで収入を得る
という仕組みを作りました。

 

過去の、体育の日となっていた
10月10日は1964年の東京五輪
の開催式の日です。
日本では10月は運動会も多いし
スポーツに最適な時期でもあります。

 

このように暑さを避けるため
9月〜10月に日程を組んだ例として
88年のソウル五輪がありますが、
92年のバルセロナ五輪以降
現在のように柔軟に日程を
組むことは出来なくなりました。
例外として2000年のシドニー
五輪がありますが。

 

何だ、やっぱり利権か…なんて思います。
世界中の人々が観るのですから
大きな利権大会なのは理解できます。
でも…でもですよ。
健全な身体に健全な魂が宿るなんて
思わされてきた身としては、
何を置いても「健康第一」なのでは
ないでしょうか。
10月30日からのIOCの調整委員会で
トライアスロンとオープンウオーター
スイミングでも、水温の高さへの
懸念から、競技の開始時間が、
さらに1時間から2時間程度、
前倒しが検討されることが
わかりました。

 

ただ、水温や水質などの課題の解決
が難しければ、マラソン、競歩と
同様に会場を変更する案も残されて
いるということで、関係者は
会場変更がゼロではないと
話しているというニュースが
少し救いでしょうか。

 

東京湾の水質って
道頓堀の30倍、ガンジス川の
2倍の汚さで、水質改善のために
投入された牡蠣も死んでしまった
ほどの状態です。

 

東京湾の汚染について調べると
指定されたページはありませんと
出るものばかり…

 

まだまだ台風19号の被災で
大変な地域がある中で、
その復興に当てられる金額は
予備費から7.1億だそうですが、
過去の事例をみると
更なる支出が考えられます。
昨年の平成30年7月豪雨の被害に
対しては発災後直ちに緊急物質援助を
実施するため予備費20億円の
使用が決定しています。
その後も 自然災害が相次いで
復興復旧の補正予算が組まれたので
今回の被害に対しても、
それ相当の規模の予算措置が
なされると信じたいです。
選手達や観客達のためにも
配慮したオリンピックであって欲しい
です。
ニュースは ウンザリする事が
多いですが、こんな時
こんな動画が出ていると
チョッピリですが嬉しくなります。